エンディング曲
ヨルシカ
- 《ヨルシカ》
- n-buna コメント
- 01原作・台本を読んだ時の感想
- 大変好きな漫画です。魚豊さんの漫画にはひゃくえむ。から続く人間的な熱がいつも潜んでいて、それがテーマと結び付いたときに爆発的な面白さが出てきます。チ。は「知る」ことへの熱を具現化したような作品なので、それとヨルシカで今作りたいものの共通項を、台本を読みながら考えました。
- 02エンディングテーマに込めた想い
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アポリアは哲学の言葉で、答えのない問いや、困惑を意味します。知りようのないものを知りたいという心を、アポリアになぞらえながら書きました。
歌詞に出てくる気球は、際限のない知の欲求の喩えです。気球は地表を離れて、段々と高く登っていく。気球の中から下を覗くと、地表にいた時とは違う景色、海が見えて、そこには魚の群れが白く光っている。そういう曲です。
僕の中でのチ。の解釈は「知」です。
- 03ファンに向けて一言
- 素晴らしい原作の、その映像化に携われたことを光栄に思っています。よろしくお願いします。
ある日見たへびの鱗が綺麗だったので、へびをテーマにした曲を書いていた時、ふとチ。との親和性を感じました。
聖書では知恵の実を食べる人間と、それを唆したへびの構図が有名ですが、それはシンプルな知への欲求の比喩だと解釈できます。
そこから、へびが春に眠りから目覚め、外に這い出して世界を知る歌を書きました。
また、この歌が典拠としているのは唐代の詩人、元稹の「離思」の一節です。
曾经沧海难为水
除却巫山不是云
意訳すると「大海を知った後ではただの水では満足できない。巫山の雲以外を雲とは思えない」大海も巫山の雲も、元稹が亡き妻に向けた比喩です。シンプルで奥行きのある愛の詩です。